休みが取れると、江ノ島にでかけて海風に吹かれてぼーっとしていた時期がありました。
そこではモニターのアラーム音も輸液ポンプの残量音も聞こえませんから。
海開きがされていない時期の江ノ島の海岸べりは、
比較的静かです。
ある日の午後、江ノ島駅の改札を出て、ふと前をみると、
楽しそうに踊りながら歩く親子連れがいました。
カラフルな女の子の洋服がくるくる回って、
実に楽しそうです。
そのとき、私ははっとしたのです。
以前、入院していた女の子とママでした。
あちらはまったく私に気づいていませんでした。
女の子とママは何か話しをしながら笑っていました。
女の子は弾んだまま、駅のほうに向かっていきました。
今日のあの子はきらきらしてた。
そうだ、こどもはそれぞれのおうちに帰って、おうちのこどもとして大事に育てられてるんだ。
そんなことを改めて気づいた日でした。
今もくるくる朗らかに回ってるかな。 |