6年勤めて病院を辞めました。
アメリカに留学したいなあと思ったのです。
でも足元をみていなくて、憧れだけだったのだと思います。
半年ほど充電期間を経て、日本で会社勤めをはじめました。
そしてあまりの無謀さに気づきました。
私は一体アメリカで何を勉強して、どうなりたいんだろう?
毎日、自問自答しているうちに10年も経ってしまいました。
病院にいた頃、生死にかかわるような事態から逃げ出したいと思っていました。
背負いきれない。私にはそんな重いこと。
受け持ちのこどもの家族に先生からのお話があるとき、
家族の苦しさを受け止め切れないと思いました。
でも不思議なことに病院から離れると
社会の中で医療のあり方を考えることができるようになります。
そこで「こどもは患児ではない」ということを強く思うようになりました。
病院では「XXという病気の○○ちゃん」だけど、
本当は「○○ちゃんがXXという病気になった」ということが正しいということに。 |